2025年5月28日、経済産業省は「高齢者・介護関連サービス産業振興に関する戦略検討会」の取りまとめを公表しました。背景には、団塊世代の後期高齢者化が進む2025年、そして65歳以上人口がピークを迎える2040年に向けて、地域での高齢者ケアの多様化・持続可能性への強い社会的要請があります。
検討会では、高齢者・介護関連サービスを「介護予防・社会参加支援」「日常生活支援」「生活機能維持・療養支援」「家族支援」の4分類で整理。そのうち主に地域提供が想定される前3領域を中心に議論されました。公的介護保険外のサービスとして、民間・NPO・地域住民など多様な担い手の収益性・継続性に焦点を当てています。
また産業振興の観点から、認知症診断支援やPHRなどAI・先端技術を活用した新サービスの社会実装や、移動・小売など民間企業が高齢者福祉に関与することで地域資源の高度化が期待される点を強調しています。
今回、注目すべきキーワードは「産福共創」。これは、産業（民間企業）と福祉（自治体・NPOなど）が共創し、地域課題の解決と収益性の両立をめざす戦略です。市場性の高い都心部と中山間部など地域特性に応じたモデル構築や、自治体への伴走支援、先行モデルの創出・評価・普及、環境整備など、具体的な施策が整理されています。
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